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Channel: スポーツナビ+ タグ:日高
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ストーブリーグを前に生え抜き率を見る~②捕手編~

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 こちらが前回の投手編 前回は投手編をお送りしたので、今回は「②捕手編」をお送りしたいと思う。 この生え抜き率は一概に高いから良い、低いから悪いというわけではないので、高いことが結果的に効果があるのか、逆に低いからこそ競争を促しているのかという点からも探りたい。 要は、「全ての項目で一方に偏る」というのが好みでないということだ。 投手も捕手も内野手も外野手も生え抜きばかりだとか、逆に非生え抜きばかりが好ましくないと思っている。 勿論生え抜きも大事だし補強も大事だとは思うが、チーム強化にバランスは大事だと思う。 なので調査の最後ではその点を踏まえながらまとめるわけだが、そのまとめの際に使う資料として、今回は捕手の生え抜き率を見ていく。 ○捕手生え抜き率ランキング 1位:広島、横浜、ロッテ、楽天(100%)  5位:阪神、中日、日本ハム、西武(85.7%)  ~ここから平均(83.3%)以下~ 9位:ヤクルト、巨人、ソフトバンク(71.4%)  12位:オリックス(50%)  ○広島:多田、船越、磯村、會澤、白濱、石原、倉(7人) ○横浜:高城、嶺井、戸柱、西森、黒羽根(5人) ○ロッテ:田村、寺嶋、江村、吉田、金沢(5人) ○楽天:堀内、下妻、小関、足立、伊志嶺、嶋(6人) ○阪神:坂本、梅野、小豆畑、小宮山、岡崎、清水、<鶴岡>(7人) ○中日:加藤、桂、杉山、木下、赤田、松井雅人、<武山>(7人) ○日本ハム:清水、石川、近藤、大嶋、荒張、大野、<市川>(7人) ○西武:森、中田、岡田、藤沢、炭谷、上本、<星>(7人) ○ヤクルト:山川、西田、中村、星野、藤井、<田中雅彦、井野>(7人) ○巨人:宇佐見、鬼屋敷、河野、小林、加藤、<實松、相川>(7人) ○ソフトバンク:谷川原、栗原、拓也、山下、高谷、<鶴岡、細川>(7人) ○オリックス:若月、伏見、伊藤、<田中、山崎、斎藤>(6人) ※括弧括りは非生え抜き選手 【広島】 ○過去3年間生え抜き率推移:83.3%→100%→100%  ○過去3年間主な入れ替え 【IN】多田、船越(ともにドラフト) 【OUT】上村(退団) この3年間で非生え抜きだった上村が退団し、ドラフトで多田と船越を指名したため生え抜き率が100%だが、未だに石原の後釜は決まっていない。筆頭候補の會澤は夏場になって急失速したため、来年は2軍で成長著しい磯村との争いが始まると予想される。 今年もドラフトで捕手を指名したことから正捕手争いは若手で競わせる模様だが、数年経っても解決しないのであれば新たな策を打つ可能性もあると感じる。 【横浜】 ○過去3年間生え抜き率推移:83.3%→100%→100%  ○過去3年間主な入れ替え 【IN】戸柱(ドラフト) 【OUT】鶴岡(阪神へ)、靏岡(退団) 横浜も広島同様捕手の動きは少なく、数年前に人的補償で阪神に移籍した鶴岡とこの度退団した靏岡の補充として、今回のドラフトで戸柱を指名しただけである。 横浜は高城、黒羽根、嶺井と1軍を経験している捕手が多いが固定できてはいない現状。 過去に谷繁、相川と育てた捕手が移籍してしまったり野口や橋本といった非生え抜きを補強していた時期もあったが、ここ数年の動きを見ると、非生え抜きの補強はしないのかなと。 ただし、固定できないことで高城や嶺井といった若手捕手がスタメンで出れない上に1軍ベンチ入り日数を無駄に増やしている危険性はある。要は年俸が低いうちにFA権を取得する恐れがあるということだ。 そうなると出場機会を求めて他球団へ移籍する恐れもあるので、この辺りで固定できる正捕手がFA市場に出回れば獲得し、若手2人を2軍でしっかりと起用するというのもアリだと思う。 【ロッテ】 ○過去3年間生え抜き率推移:85.7%→83%→100%  ○3年間主な入れ替え 【IN】寺嶋(ドラフト) 【OUT】里崎(引退)、小池(退団)、川本(退団) 非生え抜きだった川本の退団で100%になったロッテ。 里崎引退後も若手捕手を起用していることから、今後も補強に頼ることなく生え抜きを育成していくことが予想される。 それによって田村が独り立ちしそうなので、生え抜き育成の方針は間違っていないと感じる。 【楽天】 ○過去3年間の生え抜き率推移:85.7%→80%→100%  ○3年間主な入れ替え 【IN】堀内、足立(ドラフト) 【OUT】小山(退団)、岡島(外野手へ転向) ここ数年は嶋を中心に小関、伊志嶺などを起用してきた楽天。 ドラフトで堀内と足立を指名して嶋の後釜作りに着手しているところなので補強はないと思うが、嶋のFA権の動向次第では変わることも予想される。 【阪神】 ○過去3年間の生え抜き率推移:62.5%→71%→85.7%  ○3年間主な入れ替え 【IN】坂本(ドラフト)、鶴岡(人的補償) 【OUT】日高、藤井(引退)、今成(内野手転向) 過去には城島、藤井、日高と非生え抜きの捕手を獲得してきたが、ここ数年は人的補償で鶴岡を獲得した以外は非生え抜きの補強はなし。 その上でドラフトで指名した梅野を起用し始めており、更に今回のドラフトで坂本を指名。 藤井が引退したことで来年の正捕手争いは鶴岡と梅野を中心に坂本が絡んで展開されると思うので、より一層生え抜きが目立ってきそうだ。 正捕手に生え抜きを固定していなかった阪神。 生え抜き率が上がってきた今、それが変わるのかどうかを注視していたいと思う。 【中日】 ○過去3年間の生え抜き率推移:71.4%→71%→85.7%  ○3年間主な入れ替え 【IN】武山(トレード)、加藤、木下(ともにドラフト) 【OUT】小田、谷繁(引退)、田中(オリックスへ) 過去2年間は生え抜き率が平均未満だったが、谷繁の引退、ドラフトでの木下指名で生え抜き率が上昇した。 今年は桂や杉山といった若手捕手を多く起用していたので来年も生え抜き率の向上と同時に生え抜きが正捕手を争うことが予想されるが、過去に非生え抜きの補強を多く行っていることを考えると、実力ある捕手がFA市場に出回れば獲得に動く可能性も否定できないので、今後の中日の動きに注視していたい。 【日本ハム】 ○過去3年間の生え抜き率推移:77.8%→67%→85.7%  ○3年間主な入れ替え 【IN】清水(ドラフト) 【OUT】中嶋(引退)、鶴岡(ソフトバンクへ)、尾崎(退団) 生え抜きの鶴岡と尾崎がチームを去ったが、中嶋の引退で生え抜き率が向上した日本ハム。 生え抜きの大野と非生え抜きの市川を中心に正捕手争いが展開されているところに近藤や石川、清水といった若手が控える理想的な形を作っているので、大野が移籍しない限りはこの生え抜き率を維持しながら捕手の編成は行われそうだ。 【西武】 ○過去3年間の生え抜き率推移:75%→86%→85.7%  ○3年間主な入れ替え 【IN】なし 【OUT】武山(中日へ) 非生え抜きだった武山が中日に移籍した以外は目立った動きのない西武。 正捕手炭谷に岡田と森が控えているので、森次第ではあるが生え抜き率は数年後には100%に近いものになっていると思う。 【ヤクルト】 ○過去3年間の生え抜き率推移:71.4%→71%→71.4%  ○3年間主な入れ替え 【IN】井野(巨人より獲得)、山川、藤井(ドラフト) 【OUT】相川(巨人へ)、新田(退団) この3年間で数値の変化はないが、正捕手が今年から生え抜きの中村となったことで、生え抜き率は低くなることはないように思う。 今の数値でも不安点はないが、将来的には100%に近い数値になる可能性が高い。 【巨人】 ○過去3年間の生え抜き率推移:71.4%→83%→71.4%  ○3年間主な入れ替え 【IN】相川(FA)、宇佐見(ドラフト) 【OUT】阿部(内野手へ転向)、井野(ヤクルトへ) 阿部の内野手転向、相川の加入で数値は落ちた上に正捕手を固定化できていない。 理想は若手の小林の脇を相川や加藤などといったベテランが固める構図であるが。 そうなれば、率が低くても何ら問題ない。 【ソフトバンク】 ○過去3年間の生え抜き率推移:75%→67%→71.4%  ○3年間主な入れ替え 【IN】鶴岡(FA)、栗原、谷川原(ドラフト)、拓也(育成からの昇格) 【OUT】山崎(オリックスへ) 鶴岡を補強したものの、それ以外はドラフトや育成枠からの昇格と、補強と育成を上手く融合させているソフトバンクらしい編成。 1軍では細川、鶴岡の非生え抜きと生え抜きの高谷を中心に使いつつ、2軍には山下、拓也、栗原といった期待の若手も控えており、平均以下の生え抜き率は気にならない。 将来的には生え抜き率が上がってきそうだが、現状の捕手編成に関しては問題ないし、数年後にこの数値が維持されていても今のような編成をできていれば特段問題ない。 【オリックス】 ○過去3年間の生え抜き率推移:80%→60%→50%  ○3年間主な入れ替え 【IN】山崎(FA)、田中(中日から) 【OUT】庄司(退団) ここ3年で非生え抜きが2人加入して生え抜きが1人抜けたため、年々数値は下がっている。 ただ1軍では生え抜きの伊藤が正捕手を務めるなかで山崎を併用する形でいっており、2軍では生え抜きの若月が多く起用されていて生え抜きの伏見と非生え抜きの斎藤、田中が控える展開。 生え抜きと非生え抜きを上手く起用していることを考慮すれば、率こそ低いが現状の捕手編成に問題はないと感じる。 ということで、捕手の生え抜き率調査は以上。 チームごとの現状を見ると横浜、中日、巨人の3チームはストーブリーグの行方が気になるが、それ以外のチームは戦力外通告や移籍がない限りは現在の数値を維持したままストーブリーグを終えそうだと感じた。 とはいっても、多くのチームが正捕手を固定できていない現状。 生え抜きの若手に競わせたり補強したりと色々な方法があると思うが、それによっては今後捕手の生え抜き率も多く変わりそうな予感はあるので、ストーブリーグ終了後にどうなっているかをしっかり注視したいところだ。

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